今日も残念ながら泳ぎには行けなかったので、昨日に引き続き進化的水泳論についての考察を進める。
前回は手を使わずに泳ぐのが進化的に正しい泳ぎかただと書いた。では水泳にとって手は全く無用の長物なのだろうか。それが一概にはそうと言えない。それは何故か。
ヒトのことを考える前に、もう一度犬かきのことを考えてみよう。犬かきするときにの犬の足は、陸上とで歩くときと同じ動きをしている。すなわち前後に動いているだけである。逆に言えば犬の足は前後にしか動かない。体を支えるという役割があるからである。水中で体を前に進めるためには水を後ろに送らなければならない。後ろに送る水の量が多ければ多いほど体は効率良く前に進むはずだ。犬のように足をまっすぐにしたまま前後に動かしても後方に送る水の量は少ないのだ。
ではヒトのクロールはどうか。クロールでは肘を曲げて腕をS字に動かす。肘を曲げることによって水に押す面積を大きくすることができ、S字に動かすことで効率良く水を掴んで後ろに送ることができる。これにより体を効率良く前に進めることができる。初心者のクロールは腕が水面に対して垂直に入って、肘も伸ばしたままストロークしてしまう。これでは犬かきの前足と同じなのである。クロールにおけるS字ストロークはヒトの持つ肩関節の動きによって初めて可能となる。ヒトの肩関節は左右に広げることも可能である。上から左右に広げて下まで、体の前方半球上の範囲を全てカバーできる。しかもどの方向にも力強く動かすことができる。ヒトの腕は直立二足歩行によって、前足という役割から開放されて自由になった。これにより肩関節の動く範囲を大きく広げることが可能となったのである。
S字ストロークは直立二足歩行が可能にした泳ぎ方と言える。初心者が腕を伸ばしたままのストロークからS字ストロークへと上達するとき、四つ足から二足歩行へと人類が歩んできた進化の過程をたどっていると言えるのだ。(つづく)
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前回は手を使わずに泳ぐのが進化的に正しい泳ぎかただと書いた。では水泳にとって手は全く無用の長物なのだろうか。それが一概にはそうと言えない。それは何故か。
ヒトのことを考える前に、もう一度犬かきのことを考えてみよう。犬かきするときにの犬の足は、陸上とで歩くときと同じ動きをしている。すなわち前後に動いているだけである。逆に言えば犬の足は前後にしか動かない。体を支えるという役割があるからである。水中で体を前に進めるためには水を後ろに送らなければならない。後ろに送る水の量が多ければ多いほど体は効率良く前に進むはずだ。犬のように足をまっすぐにしたまま前後に動かしても後方に送る水の量は少ないのだ。
ではヒトのクロールはどうか。クロールでは肘を曲げて腕をS字に動かす。肘を曲げることによって水に押す面積を大きくすることができ、S字に動かすことで効率良く水を掴んで後ろに送ることができる。これにより体を効率良く前に進めることができる。初心者のクロールは腕が水面に対して垂直に入って、肘も伸ばしたままストロークしてしまう。これでは犬かきの前足と同じなのである。クロールにおけるS字ストロークはヒトの持つ肩関節の動きによって初めて可能となる。ヒトの肩関節は左右に広げることも可能である。上から左右に広げて下まで、体の前方半球上の範囲を全てカバーできる。しかもどの方向にも力強く動かすことができる。ヒトの腕は直立二足歩行によって、前足という役割から開放されて自由になった。これにより肩関節の動く範囲を大きく広げることが可能となったのである。
S字ストロークは直立二足歩行が可能にした泳ぎ方と言える。初心者が腕を伸ばしたままのストロークからS字ストロークへと上達するとき、四つ足から二足歩行へと人類が歩んできた進化の過程をたどっていると言えるのだ。(つづく)
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今日は仕事が忙しくて泳ぎに行っていないので、再び水泳についてあれこれ思い付くことを書いてみよう。
前回はチンパンジーの弯曲した背骨は水泳に適さないのではないかと考察した。チンパンジーの背骨が水泳に適さないことと、野性のチンパンジーが水を恐がって泳がないことが関係あるのかは今のところ解からない。しかし水泳に適した体の構造というものは存在する。今回も体の構造と水泳について考えてみよう。
泳ぎに適した体の構造とはどんなものであろうか。答えは水中で生活する生き物を見ればすぐに解かる。アザラシやイルカなどの体は水の抵抗を減らすために流線型になっている。彼らはいわば泳ぎの本職であるから、泳ぎに対する適応度は我々のようなにわかスイマーとは比べものにならない程高い。彼らの背骨も無論まっすぐになっている。
それでは陸上の四つ足動物はどうだろうか。四つ足の動物だって御存じの通り良く泳ぐ。犬の犬かきを考えれば良い。彼らの背骨は地面に並行でまっすぐであるから、水の中でも普段地面を歩く要領で足を動かせばそのまま犬かきの完成である。
つまり人類の祖先とそこから別れたチンパンジーなどは、直立歩行を獲得する過程で一時的に背骨が弯曲し、水泳に適さない体になったわけだ。その後、直立二足歩行が完成し、再びまっすぐな背骨を持った人類は、再び泳ぐのに適した体になったわけである。そのおかげで我々は水泳を楽しむことができると言える。
では進化的に正しい泳ぎ方と言うものはあるのだろうか。先ほど犬かきの話をした。四つ足動物の背骨は地面にたいして並行で、足は背骨にたいして垂直方向についている。これでは胴体部分の水の抵抗は小さいが、四つの足は抵抗を増やして邪魔になってしまう。だから犬かきは御世辞にも早い泳ぎ方とは言えない。
水の中で暮らしている動物はどんな泳ぎ方をしているだろうか。泳ぎに適した生き物は、足で泳いだりしない。彼らは体を波打たせるように動かすことで推進力を得ている。魚の場合は波打たせる方向が左右になっている。彼らの手にあたる鰭はおもに舵取りの役をするだけで、推進力を得るのにはあまり役立たない。イルカやクジラの足は退化してなくなってしまっている。そこから考えるに進化的に正しい泳ぎ方というのは、手足を使わずに体を波打たせて泳ぐのが正解ということになる。ただし人の場合は尻尾が退化してなくなってしまっているので、体だけでは推進力が得られない。そこで大きな筋肉を持つ足を使わなくてはならなくなるのだ。
以前背泳ぎの鈴木大地選手がバサロ泳法という泳ぎで大活躍したのを御存じであろう。バサロは水に潜ったまま体を波打たせて進む泳ぎかたで手はまっすぐ伸ばしたままで使わない。普通の背泳ぎの泳ぎかたでは手を回して推進力を得るが、進化的な観点から見れば、バサロの方が正しい泳ぎ方なのである。彼が金メダルを取ったのは、進化的には全く正しいと言える。(つづく)
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前回はチンパンジーの弯曲した背骨は水泳に適さないのではないかと考察した。チンパンジーの背骨が水泳に適さないことと、野性のチンパンジーが水を恐がって泳がないことが関係あるのかは今のところ解からない。しかし水泳に適した体の構造というものは存在する。今回も体の構造と水泳について考えてみよう。
泳ぎに適した体の構造とはどんなものであろうか。答えは水中で生活する生き物を見ればすぐに解かる。アザラシやイルカなどの体は水の抵抗を減らすために流線型になっている。彼らはいわば泳ぎの本職であるから、泳ぎに対する適応度は我々のようなにわかスイマーとは比べものにならない程高い。彼らの背骨も無論まっすぐになっている。
それでは陸上の四つ足動物はどうだろうか。四つ足の動物だって御存じの通り良く泳ぐ。犬の犬かきを考えれば良い。彼らの背骨は地面に並行でまっすぐであるから、水の中でも普段地面を歩く要領で足を動かせばそのまま犬かきの完成である。
つまり人類の祖先とそこから別れたチンパンジーなどは、直立歩行を獲得する過程で一時的に背骨が弯曲し、水泳に適さない体になったわけだ。その後、直立二足歩行が完成し、再びまっすぐな背骨を持った人類は、再び泳ぐのに適した体になったわけである。そのおかげで我々は水泳を楽しむことができると言える。
では進化的に正しい泳ぎ方と言うものはあるのだろうか。先ほど犬かきの話をした。四つ足動物の背骨は地面にたいして並行で、足は背骨にたいして垂直方向についている。これでは胴体部分の水の抵抗は小さいが、四つの足は抵抗を増やして邪魔になってしまう。だから犬かきは御世辞にも早い泳ぎ方とは言えない。
水の中で暮らしている動物はどんな泳ぎ方をしているだろうか。泳ぎに適した生き物は、足で泳いだりしない。彼らは体を波打たせるように動かすことで推進力を得ている。魚の場合は波打たせる方向が左右になっている。彼らの手にあたる鰭はおもに舵取りの役をするだけで、推進力を得るのにはあまり役立たない。イルカやクジラの足は退化してなくなってしまっている。そこから考えるに進化的に正しい泳ぎ方というのは、手足を使わずに体を波打たせて泳ぐのが正解ということになる。ただし人の場合は尻尾が退化してなくなってしまっているので、体だけでは推進力が得られない。そこで大きな筋肉を持つ足を使わなくてはならなくなるのだ。
以前背泳ぎの鈴木大地選手がバサロ泳法という泳ぎで大活躍したのを御存じであろう。バサロは水に潜ったまま体を波打たせて進む泳ぎかたで手はまっすぐ伸ばしたままで使わない。普通の背泳ぎの泳ぎかたでは手を回して推進力を得るが、進化的な観点から見れば、バサロの方が正しい泳ぎ方なのである。彼が金メダルを取ったのは、進化的には全く正しいと言える。(つづく)
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今日は時間がなくて泳ぎに行っていないので、ブログに書くネタもないわけであるが、水泳についてつらつら考えたことがあるので、思い付くままに書いてみようと思う。
まず気になったのは、水泳の起源についてである。そもそもヒトという生き物はいつ頃から泳ぎ始めたのであろうか。
テレビか何かで野性のチンパンジーは水を恐がって泳がないと聞いたことがある。人類に近い種と考えられるチンパンジーはなぜ泳がないのか。これにはいろいろな原因があるんだろうが、体の構造の面から考えてみる。すなわち背骨の構造である。
チンパンジーの背骨はまっすぐ立った状態で弯曲している。この姿勢では直立歩行できないため拳を地面について歩行することとなる。チンパンジーの背骨は泳ぐのに適していない。水泳の入門書にはまず姿勢のことから書いてあるが、体を一本の棒にしたイメージで水面と並行に浮きなさいと書いてある。チンパンジーにはこの姿勢ができない。直立歩行で切る人類の背骨はこのまっすぐに伸びた姿勢を可能にする。とすれば人類とその祖先たちは直立歩行が可能になったのと同時に泳ぎ始めたのであろうか。
人類がまっすぐに伸びた背骨を獲得したことは、泳ぐ必然性を意味するわけではない。泳ぐのにチンパンジーよりも向いていることを意味するだけである。それでははたして人類に泳ぐ必要性はあったのであろうか。これは泳ぐことによって何か利得があるかという問題でもある。
生き物の食う食われるの世界においては、利得とは餌に関することが重要である。すなわち自分が取れる餌が増えるか、自分が餌にならずにすむ確率を増やすかである。この面で考えると、人類が泳ぐことで何か利得があるとは考えにくい。人類の泳ぎは拙いからである。水中で暮らす生き物と比較すれば、人類の泳ぎなどままごとに等しい。これで魚を取れるとは思えないし、肉食獣からの逃走に役立つとも思えない。
そうすると、ヒトという生き物が泳ぐのは実益よりも楽しみの意味の方が大きいと考えられる。
水浴びをする生き物はごく普通に見られる。何も特殊なものではない。人類における水泳ももともとは水浴び程度のものから発展してきたと思われる。はたして、単なる水浴びが水泳に変化した決定的瞬間とはいかなるものであったのだろうか。(つづく)

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まず気になったのは、水泳の起源についてである。そもそもヒトという生き物はいつ頃から泳ぎ始めたのであろうか。
テレビか何かで野性のチンパンジーは水を恐がって泳がないと聞いたことがある。人類に近い種と考えられるチンパンジーはなぜ泳がないのか。これにはいろいろな原因があるんだろうが、体の構造の面から考えてみる。すなわち背骨の構造である。
チンパンジーの背骨はまっすぐ立った状態で弯曲している。この姿勢では直立歩行できないため拳を地面について歩行することとなる。チンパンジーの背骨は泳ぐのに適していない。水泳の入門書にはまず姿勢のことから書いてあるが、体を一本の棒にしたイメージで水面と並行に浮きなさいと書いてある。チンパンジーにはこの姿勢ができない。直立歩行で切る人類の背骨はこのまっすぐに伸びた姿勢を可能にする。とすれば人類とその祖先たちは直立歩行が可能になったのと同時に泳ぎ始めたのであろうか。
人類がまっすぐに伸びた背骨を獲得したことは、泳ぐ必然性を意味するわけではない。泳ぐのにチンパンジーよりも向いていることを意味するだけである。それでははたして人類に泳ぐ必要性はあったのであろうか。これは泳ぐことによって何か利得があるかという問題でもある。
生き物の食う食われるの世界においては、利得とは餌に関することが重要である。すなわち自分が取れる餌が増えるか、自分が餌にならずにすむ確率を増やすかである。この面で考えると、人類が泳ぐことで何か利得があるとは考えにくい。人類の泳ぎは拙いからである。水中で暮らす生き物と比較すれば、人類の泳ぎなどままごとに等しい。これで魚を取れるとは思えないし、肉食獣からの逃走に役立つとも思えない。
そうすると、ヒトという生き物が泳ぐのは実益よりも楽しみの意味の方が大きいと考えられる。
水浴びをする生き物はごく普通に見られる。何も特殊なものではない。人類における水泳ももともとは水浴び程度のものから発展してきたと思われる。はたして、単なる水浴びが水泳に変化した決定的瞬間とはいかなるものであったのだろうか。(つづく)

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